莫妄想
元寇(文永の役1274年・弘安の役1281年)
鎌倉幕府8代執権・北条時宗は強大な外敵と戦わなければならないことに思い悩んで禅僧の無学祖元に指導を仰いだところ、「莫妄想」、と言われた。
負けたらどうしようと思い悩んでも仕方がない、やるべきことをやりなさい、ということ。
若い時宗はこの言葉で覚悟を決め、可能な限りの迎撃体制を敷いた。
その結果、二回とも幸運にも台風で元軍の船団が壊滅的打撃を受けて、侵略を免れることができた。
もし、時宗が不安におびえて悲観的な「妄想」にとらわれて行動が遅れたら、あるいは逆に簡単に勝てる」などと楽観的に思い準備が不足したら、台風が来る前に大軍に上陸を許してしまい、日本が元の支配下になっていたかも知れない。
ここで言う「妄想」は不安や焦りなどをベースにした雑念。
われわれ神経質人間はああなったらどうしよう、こうなったら困る、などとありもしない先の心配をしがちである。不安に振り回され過ぎるとエネルギーを空費して疲れてしうし、行動のタイミングを逃すこともある。不安や焦りはあっても、とりあえず行動していくと良い。
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