日本の企業において、マネジメントという言葉ほど曖昧なものはない。
マネージメントという言葉を日本語に翻訳すると管理、経営とでてくる。管理ということばにコントロールという言葉がある。コントロールとマネージメントという言葉は同じかというと、その差は大きなものがある。それは判るのである。ではマネージメントとは何かを明確に定義できる方はどの程度いるのであろうか?
一般にコントロールとは、ある目標値を実現するように管理することとなる。問題はその目標値をどう設定するかである。人に設定してもらっているようでは、マネジャーではないだろう。また目標を設定することの難しさとリスクと責任をしっかり感じられない方はマネージャーとはいえないだろう。
マネージメントとは、経営という視点から、何をすべきか、どのレベルまですべきか、それをいつまでにすべきか、どんな体制ですべきか、その際にどの様な問題やリスクが予想され、そのための対策をどうやってとるか・・・・・・等々経営全てを責任をもって考えて、実践し、最後までやりきることである。そして次の世代へ確実に引き継ぐことである。
もっと具体的に言うと、ここに投資可能な資金がある。その資金を使って事業を起こし、確実に成果を出し、その資金を大きくし、さらに継続した展開ができるようにすることである。こう定義してみると真のマネージャーは、社長、役員クラスしかいない。
これを組織行動の効率等を考えて、組織機能として分断したとたん、まともなマネージメントが出来なくなってくる。つまり商品企画、設計、生産、販売などと機能別組織を絞ったとたん、その部分最適を追求しだす。その結果タイムリーな意思決定が出来なく、リスクを負わないマネージャーが多くなる。その結果20~30のハンコをつくような稟議制、無責任の体制になってしまう。これが多くの日本の企業実態であろう。
過去の目標が明確で、2番手を走っていた時代は、とにかく走ることが大切であり、そんなにリスクがあるわけではない。いまその目標を自分で決めなければならない時代にあって、このような体制では迅速な経営は難しい。
マネージメント、マネージャーの再定義から見直していく時代であると考える。マネージャーと位置づけられる全ての方が、心を同じくして、全体最適から部分最適に見ていくことが出来るように、意識、しくみ、プロセス、ツール等々を再定義していくべきであろう。
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